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えっと、サイハテの前的な、だけど暗い話です。苦手な方御注意です。
「貴方、誰?」
それを聞いた瞬間、彼はとうとう来てしまったのだと悟った。
だが、思考回路の一部ではその事象を否定したいとするあまりに、その矛盾に先程から警告音が鳴っている気がするのは多分、気のせいではないだろう。
「……嫌だな、KAITOですよ。マスター。俺、VOCALOIDのKAITOです」
しかし、それでも彼女はまだ知らない者を見る様な目で長身の彼の事を見上げて来る。
「?そんな知り合いいたかしら?何処か外国の方?」
「違うんです、俺は歌う為に……っ!」
その他人行儀な視線に、事前に医師から聞いていた事とは云え、耐え切れずにKAITOは思わず部屋を飛び出した。
人間の体の事は医療用専門ソフトでは無い自分には良く分からないが、マスターが段々と日常の瑣末な事から段々と忘れて行き、次第に症状が進行すれば自分の事も忘れてしまうだろうと云う事だけは分かっていた。とうとうその日が来てしまった。
嫌だ、認めたくない。認めたくない。
先程から、「現状ヲ認識シ、マスターノ最善ノ為ニ対処セヨ」と云う指令と「嫌ダ、マスターニ忘レラレタクナイ。認メタクナイ」と云う感情が交差する。どちらが優先すべきプログラムなのか、”唄う”為のソフトである彼には分からない。
(中略)後から書くかと、多分(自信無し)
「~♪」
彼は心を込めて、大好きな歌を唄った。出来れば自分がこの歌を唄う事で彼女が何かを思い出してくれれば良いと祈りながら。
「あら、その曲素敵ね。何て曲?」
だが、それは虚しい願いで終わってしまった。まるで、少女の様に喜ぶ彼女に彼はぽそりと答えた。
「……これは、マスターの曲ですよ。貴女が作ったんです」
(中略)すみません!書きたい所から書く癖があるので(汗)
「!」
これは、一番最後に彼女が作った曲だ。それを誰かが、VOCALOIDである自分以外の誰かが歌っている。KAITOは思わず廊下を駆け出していた。
「♪」
「マスター……」
唄っていたのは彼女自身だった。それもそうだ。この曲はマスターがKAITOと、お金を貯めたら迎えに行こうねと約束していた妹のミクが楽しくデュエット出来る様にと新しく作っていた曲なのだから、彼女と自分以外が知る筈も無い。その女性ボーカルのパートを彼女が歌っていたのだ。
呆然と立ち尽くすKAITOが、マスターの記憶が戻って来てくれたのかと考えていると、彼女は女性パートの最後の部分を歌いながら彼の方に手を差し伸べた。彼に「歌え」と云うのだ。
えっと、ニコ動の時報来ちゃったので、もう寝ますzzz後、マスターの記憶喪失編とか兄さんのデータが吹っ飛んで記憶喪失編(アンインストールではない)とかも企んでるらしいですよ。
そして、こんな無駄にシリアスぶってる話書いてる最中にエンドレスで流してたのが下の動画です↓
いや、この天才さん達の作品大好きだし。無駄に暗いのもどうかと思ったしw
それにしても、KAITO刑事、格好良いし好きすぎる……!
(追記)エピローグ風会話
「……ごめんね、ミク」
「?どうかしたの?お兄ちゃん」
「ミクだって、本当はマスターが欲しいだろう?……マスターが本当は家出してた元お嬢様だったとかで、家族の人が『本当に有難う。これで、好きな場所に行って、好きな事をして良いよ』って言って大金置いてったんだけど、VOCALOIDの俺には使い途無いからって返そうとしても受け取ってくんないし、それならマスターの叶えられなかった夢を叶えようって、ついミクの事を迎えに行ったけど、こんなのは俺のエゴだよね。本当に御免……。もし、きちんとマスターに出逢いたいなら、今からでも……」
「……私のマスターなら、もういるよ?」
「え……?」
「だって、お兄ちゃんがマスターの姿形、声や想い出、楽しかった事悲しかった事、作った曲を覚えているんでしょ?……だから、私のマスターはお兄ちゃんのマスターだった人だよ」
「ミク……」
「……それよりも、お兄ちゃん。早く何か、歌を教えて!私も歌いたい」
「……うん。喜んで」
うーむ、かなり修正要な感じです。